祖母の夢


ずいぶん前のことですが私の祖母が、ある夢を見ました。
祖母は真っ暗なところにいて、目の前には真っ黒な男と真っ黒な箱があったそうです。 男が祖母に「箱に入れ」と命令しました。祖母は逆らうのが怖かったので箱に入りました。
蓋がしめられて、すぐに「出ろ」と言われたので祖母は箱からでました。
箱の外は流れの早くて浅い急な川だったそうです。
その川を白い服をきた人が滑り台を滑る感じでどんどん滑っていったそうです。
その滑っていく人は皆、祖母の女学院時代の友人や同じ職場の人だったそうです。
目の前の光景に呆然としている祖母に向かって男は「おまえも滑れ」と言いました
滑りたくない一心で祖母はイヤだ嫌だと座り込み断固拒否しました。
寝間着は汗だくで動悸も激しかったそうです。
朝食の時に祖母は家族みんなにその夢の話をしてくれました。
「そういえば、滑っていったのはみんな、亡くなった友人ばかりだったわ。
けどまだ生きている○山さんまで滑っていったからなんにせよ気持ち悪かった。」
と祖母は語ってくれました。その日の昼前に○山さんがお亡くなりになったという電話が掛かってきました。
もし、あの時自分も川を滑っていたらきっと同じ運命を辿っていただろうと言ってました。

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