お兄ちゃん

霊感の強いA子先輩から聞いた話し。

A子先輩は子供の頃(小学生)、両親と夏休みにキャンプ場へいった。『そろそろ、
御飯にしましょう』ということで、両親は材料の仕込みを、A子先輩は、薪を拾って
くる事になった。

A子先輩は、薪を拾う為、森の中へと進んでいった。すると、何やら人陰が!その人陰が言った『A子ちゃん!』人陰に近付いてよーくみてみると、それは以前、A子先輩の近所に住んでいた仲の良かった『お兄ちゃん』であった。(彼は引っ越していなくなっていた)それからしばらく、A子先輩と、お兄ちゃんは、手をつなぎながら、お話をして楽しく一時を過ごした。
・・・いつの間にか、辺りも暗くなってきて、A子先輩は、お兄ちゃんに『お父さんと、お母さんが心配するから帰らなくちゃ!』と言った。
するとお兄ちゃんはA子先輩の手を、強く握り『まだいいじゃない。まだ帰らないで』と、一向に手を離そうとも、両親の元へ返そうともしなかった。そして、お兄ちゃんは、A子先輩が、元来た方向とは逆の方向へと、ぐんぐん引っ張っていく。 『お兄ちゃん、やめて!私帰らないと!』辺りは暗くなってゆくばかり・・ 『離して!』と懇願しても聞き入れてくれないお兄ちゃん。

A子先輩は、ふと以前、見ず知らずの女性に、通りすがり様言われた事を思い出した。『あなたが危険な目にあったら、これを言いなさい』と『お経?(呪文?)』を教えてくれた事があったのだ。『そうだ、唱えてみよう。』A子先輩は、お兄ちゃんに、そのお経を唱えた。すると、今迄、A子先輩の手を、ぐいぐい引っ張って離さなかったお兄ちゃんが消えた。
A子先輩が、我にかえって、辺りを見回すと、目前は断崖だった!!
後日、キャンプを終え、家に帰ると、ポストに一通の手紙が入っていた。
それはには、なんと、あの『お兄ちゃん』がバイク事故で死んでしまったという事と お葬式の日にちが記載されていた。
お兄ちゃんは、かわいがっていたA子先輩を一緒に、あの世へ連れて行きたかったのかもしれない・・。
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