午前四時の訪問

高3の時の話なんだけどね。

冬休みだか春休みだか・・・・両親が旅行に行ってて双子の兄貴と2人で留守番してたわけよ。
うるさいのが居ないもんで二人して徹夜でゲームをやってたんだけどね。
俺は途中で眠くなったもんでいつの間のか寝てたんだけどさ・・・・ふと気がついたら双子の兄貴が呼んでるんだよ。
『おい・・・おい・・ちょっと起きてくれ』ってね。
んで『なんだよ?』って言ってみたんだけど何だか俺が完全に起きるのを待ってるらしい。
仕方なく起きて背伸びしながら『くだらない事で起こしたんじゃないだろうな?』って言ってやった。
そしたら奴が大真面目で言うのよ。
「今な・・・玄関でチャイムが鳴ったんだけど」
はぁ?・・・俺は思わず時計を見たね。
午前4時だ。

俺「新聞配達の人か?」
兄「ちがう」
俺「ピンポンダッシュか?」
兄「そんなんじゃない」
俺「どうせ出なかったんだろ?」
兄「出るわけ無いだろ」
俺「チャイムが鳴ったくらいでびびって起こしたんじゃないだろうな?」
兄「違うんだよ・・・チャイムが鳴ったけど俺はシカトしてた」
何が言いたくて俺を起こしたのか知らないが奴はかなり怯えている様だった。
兄「シカトしてたんだけど4、5回鳴らし続けてたんだよ」
俺「へえ・・・しつこいな」
兄「それで近所で何か有ったのかと思って見に行こうと思ったんだよ」
俺「そしたら?」
兄「いきなりドアをドンドン叩き始めて・・」
俺「・・・・?」
兄「女の声で○○くーん!○○くーん!って叫び始めたんだよ」
○○君というのは俺と兄貴の苗字だ。
俺「なんだよそれ・・・・知ってる奴?」
兄「いや・・聞いた事無い声だった」
俺「見に行かなかったのか?」
兄「いや・・・・叫んでる声が人間の声に聞こえなかったから毛布被ってた」
俺「・・・・・嘘だろ?」
兄「ほんとだって・・・○○くーんの後に狂ったみたいに笑い出して・・・」
俺「笑う・・・?」
兄「なんか・・・ヒャーハハハハハハハって感じの・・・甲高い笑い声」
俺「マジで嘘だろ・・・・?そういうのは無しにしようぜ」
兄「ほんとうだって!訳も無く起こすわけ無いだろ!?」
俺「まじかよ・・・」

結局木刀を装備した俺が家の周りを見て回ったが不審なものは見当たらなかったよ。 ・・と言うより一番不審なのは木刀を持った俺だったかもね。 まあかなり昔の実話なんだが兄に担がれたんじゃなければかなりキモい女の何かに遭遇するとこだったのかな・・・・と回想してみたり此処に書きこんでみたり・・。
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