開かずのトイレ

在り来たりですが、トイレであった話でも。
4年前教鞭を執っていた山の中腹にある中学校には、 開かずの扉というのがありました。
生徒の間ではそのことについていろいろ噂されていまして。 < br>教師をやっている手前、彼らの在学中に真実を語るのは酷なので、
秘密にしておいたほうがい いと思い、
卒業生がひょっこりと会いに来て開かずのトイレの事を私に聞くと、
秘密厳守で こっそり教えてあげます。
その秘密というのはここでは敢えて書きませんが(きっと貴方の想像 する通りです)。

3年前、運動部の顧問をやっていて、
大会前で遅くまで残らなくて はいけなかったときのことです。
外を見ると、真っ暗。8時でした。
しかし、中庭を挟ん で見えるトイレが薄暗く光っている。イヤな予感。
そう。あのトイレ。
イヤだなーイヤだ なーと思ったけど、
もし生徒が残ってたら注意しなければ、ということで、いざ。
向かい の校舎に着いたそのとき、ザザザザザザザザザザ!!!と凄い音がしました。
朝礼の時、全校 生徒が一斉に拍手をするような。
廊下の端から端に鳴り響いたそのとき、もう自分はイヤにな ってダッシュで体育館に戻り、
さっきのことは考えずに、大会の指導に専念することにしまし た。
勿論(?)さっきのトイレの光は消えていました。タチの悪いいたずらだなーと思いまし た。
きっと生徒の誰かに騙されたんだ、と思わなければ寝つけなかったでしょう。

次の日の朝、その廊下に数人の先生が右往左往していました。
廊下の掲示物が見事にすべて 剥がれているのです。
画鋲も下に落ちていました。

トイレのことと関係している とは思い難いけど、
あの不思議な出来事は絶対に忘れないでしょう。
科学で証明でき ない、というより、しても意味がないのでは?と思う今日この頃です。

21〜40へ戻るよ
トップに戻る